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学習に役立つ「集中力」を高める方法①

日々、成長していくため、読書などの自己研鑽や運動などを頑張っていきたいと考えるのは、多くの人に共通している事だと思います。

その為に、読書などを開始するのですが、なかなか集中できなくて挫折してしまうといった経験は、皆さんがあると思います。

しかし、集中力が続かない事は、あなたの意思が弱いのではなく、「一点に集中する」には、正しい知識やトレーニングが必要だからです。

今回は、集中力のメカニズムや集中力を高める方法について、伝えていきたいと思います。

1.集中力の鍛え方
2.長時間集中しない事が、集中力を持続させるには重要。
3.脳で集中力の疲れをコントロールする。

1.集中力の鍛え方

高い集中力とは、生まれ持った資質ではありません。

その為、勉強や読書などで集中できない事について、自分が劣っていると感じる必要はありません。

集中力のある人は、その仕組みを知りトレーニングを積んでいる為、集中力が高いのです。

まず、基礎知識として、集中力はどこから発生しているについてお話します。

集中力は、脳の前頭葉が大きく関わっており、この部分は思考や感情をコントロールする力を持ってます。その力は、

ウィルパワー

と呼ばれています。

このウィルパワーは朝に起きた時から、集中や決断、選択を繰り返していく中で減少していきます。

このウィルパワーが尽きると物事に集中できなくなったり、やる気が起きず、物事を先延ばしにしてしまうのです。

つまり、このウィルパワーをコントロールする事が集中力を高めるのに、とても重要な事になってきます。

では、集中力を鍛えるには、どうすればよいのか。

①ウィルパワーの総量を増やす。
②日々の行動や習慣を変える事によって、ウィルパワーの消費量を節約する。

この2つが効率良く集中力を高める方法となります。

①ウィルパワーの総量を増やす。

集中力に関して、アメリカの実験で、良い姿勢を保つ事を日常的に意識していると集中力が高まったという実験結果が報告がされています。

なぜ、姿勢を保つ事によって集中力が高まったのか。

それは、

無意識に行っている行為を「やらないように」意識する事は、とても強い集中力を必要とするからです。

姿勢を保つというのは、なかなか意識しない行動です。

猫背になったり、肘をついたり、足を組んだりと無意識に行っている行為をやらないようにすることは、想像以上に集中力が必要となります。

無意識の行為を意識する事は、集中力を使うトレーニングになります。

筋肉トレーニングと一緒で、集中力を多く使っていく過程で、徐々にウィルパワーが鍛えられて、ウィルパワーの総量が増えていきます。

このトレーニングは、姿勢を保つだけでなく、利き腕じゃない方でドアを開ける、歯磨きしている時に磨く歯の順番を変えるなどでも効果があります。

日常で無意識に行っている行為に意識を向ける事がウィルパワーを鍛えるコツです。

②日々の行動や習慣を変える事によって、ウィルパワーの消費を節約する。

集中力の要であるウィルパワーですが、集中して物事に取り組んでいる時だけなく、「我慢」や「予定を考える」、「ストレスを感じる」などでも、ウィルパワーは消費されます。

それは、ウィルパワーを出している前頭葉には、選択や決断を行う領域があるからです。

ですから、どんな小さな決断でも、決断や選択する場面が日常に多くあるほど、私たちは、余分なウィルパワーを使用してしまっているわけです。

例として、以下の興味深い実験を紹介します。

スーパーの試食コーナーに24種類のジャムを揃えた時と6種類のジャムを揃えた時に、売り上げの変化を確かめる実験が行われました。

その結果は、24種類のジャムが試食できる方がお客さんは沢山集まりました。

しかし、購入したお客さんの割合を確認すると、試食の数が少ない6種類の試食コーナーの時の方が、購入している人が多かったのです。

この実験結果からもわかるように、

多すぎる選択肢は、人々に多くの決断や選択を行わせ、ウィルパワーを奪っていきます。

その為、ウィルパワー不足になり、結局、決断が出来ないまま先送りという状態を作ってしまいます。

つまり、ウィルパワーを消費を少なくする為には、朝起きたらこの行動を行う。仕事の時には、この服を着るなど、日常の行動をある程度「習慣化」していく事が重要になってきます。

習慣化している行動は、無意識で行えるようになり、脳の前頭葉ではなく、小脳が主に使われるようになります。

その分、前頭葉への負担が軽減され、ウィルパワーの節約になり、集中力を持続させることが可能になります。

2.長時間集中しない事が、集中力を持続させるには重要。

人間の脳は、集中を持続させないようにできています。

なぜなら、はるか昔の本能として、いまも「一点に集中させない」ように働いているからです。

昔は、食事など一つの事に集中していると周りへの注意が散漫になり、たちまち他の肉食動物に襲われて死んでしまいます。

常に多方向に注意し、一点に集中しない事が生き残る事に必要不可欠な要素だったのです。

では、人はどれくらい集中力を継続させることが出来るのでしょうか?

十分なトレーニングをした人でも「120分」。

普通の人なら大人でも子供でも、長くて「30分」と言われています。

うまく休憩をはさみ、短時間の集中状態を繰り返していく事で、全体的に集中している時間を増やせるのです。

あらかじめ時間を短く区切り、「もう少しやりたい」というところで休憩を入れる。

この方法は、以下の三つのメリットがあります。

①ウィルパワーを使いすぎる前なので、疲れにくい。
②30分などと時間を区切る事で時間管理をしやすくなる。
③途中で終わった感覚が残るので、「早く続きがやりたい」と思える。

集中力は、自由な時よりも制限のある状態の方が高まります。

取り組む時間が決まり、使える時間が定まると選択肢が絞られます。

その結果、ウィルパワーの浪費が減り、集中力が増していくのです。

3.脳で集中力の疲れをコントロールする。

勉強や仕事をしている内に、徐々にやる気がなくなり「疲れたなぁ」と集中できなくなった経験は、だれにでもあると思います。

しかし、疲れ、やる気、モチベショーンは、主観的なもので、勝手に上がったり下がったりするものではないことが研究でわかっています。

脳が感じる疲れは、疲労物質が溜まり、筋肉の動きが低下するといった実態のある現象ではありません。

つまり、脳が感じている疲労感は単なる思い込みで「疲れているから、集中できない」というのは錯覚なのです。

なぜ、私たちの脳は疲れていないのに、疲れたと感じるのでしょうか。

それは、防衛本能から脳が勝手に「限界だ」と判断しブレーキをかけてしまうからです。

その為、集中力を高めるには、脳のブレーキを緩めて「疲れた」という思い込みを解く必要があります。

そこで役に立つのが「プライミング効果」です。

プライミング効果とは、観念によって人の行動が変わるという理論です。

例として、被験者に「ライオン、ゾウ、キリン、シマウマ」などの単語を見せてから、「スピードが速いものを答えて下さい。」と質問します。

すると、「チーター」や「ヒョウ」などといった答えが返ってきます。

実際は、「光」や「飛行機」など、もっと速いものがあるにもかからわず、答えを動物に限定してしまうのです。

このようにプライミング効果は、外部から入ってくる情報によって、自動的に引き起こされ、その後の意思決定や思考に影響を与えます。

この無意識に行われる暗示の効果は強力で、この力を利用する事で集中力を高める事が出来ます。

それは、「集中力が保つことができた」と、自分が感じられた環境や時間を記録することです。

記録するだけで、日常の行動が変化したというケースが数多く報告されています。

集中力に関して、自分がどのくらいの時間、どのような環境でいると集中できたのか記録します。

記録する事を繰り返していくうち、脳はプライミング効果による無意識の暗示にかかり、その環境、その時間帯には自然と集中できるようになります。

無意識に暗示をかけていく事が、脳の「幻想の疲れ」を取りのぞき、集中力の継続に繋がります。

続く

学習に役立つ「集中力」を高める方法②

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