集中力を高めて物事に取り組めるという事は、限られた時間を有効に使用するために必須の能力だと思います。
しかし、この集中力に関して、学校で教えてくれることはなく、勉強や仕事で集中できない事を自分の根性がたりないと誤解している方も多いように思います。
ここでは、そのような誤解を解く為、集中力を高める方法を紹介していきます。
集中力を高める事について、正しい知識を知り充実した人生の為に役立てて頂けたら、幸いと考えています。
集中力を高める方法は、
で紹介したように、集中力の源であるウィルパワー。
「ウィルパワーを増やすこと」
「ウィルパワーを節約すること」
という2つの要素にとても関係しています。
1.集中力を高める「場所」を作る
2.ウィルパワーを節約するには、「習慣化」が必須
3.集中力を高める正しい「姿勢」
4.集中力を高める「食事」
5.「運動」は、集中力を高める
6.脳を活性化させる「瞑想」
1.集中力を高める「場所」を作る
仕事や勉強をする時、集中しやすい環境かどうかは、作業効率を左右する重要な要素です。
机がきれいに整理されていないと、仕事を開始するまでに小さな選択(探し物など)が発生し、ウィルパワーが余計に消費されてしまいます。
集中開始直前が、一番多くのウィルパワーを使います。
勉強なんかでも、やり始めたら長い時間、机に向かう事が出来たという経験があると思います。
つまり、
集中する為には、仕事などをすぐに、簡単に始めるような環境が一番なのです。
勉強や仕事をしようとして机に向かった時に、スマホのメールやお知らせが届き、ピコンと音がなり点滅します。
その瞬間に、意識はスマホに向かい、仕事や勉強を始める為のウィルパワーは減少します。
集中できる環境が与える影響は、想像以上に大きなものです。
集中する環境を作りたい場合には、スマホやケータイなど自分の意識が向いてしまう物をしっかりと片付ける事です。
目に入る場所に漫画やスマホがあるだけでも、意識の一部はそこに集中してしまい、勉強や仕事に対する集中力は落ちてしまいます。
モノを減らすほど、集中しやすい環境になる。
基本的に、部屋の中が整理整頓されている方が、物事に集中して取り組めます。
どんなに勉強や仕事ができる人でも、ゴミ屋敷のような環境では、仕事に関係ない物に注意が分散されます。
それにより、脳は余計なウィルパワーが使用しまい、効率は必ず落ちてしまいます。
つまり、部屋の中を整頓し、モノを少なくするほど、モノに注意する機会が減りウィルパワーの節約に繋がるのです。
もっと、集中したい場合には、部屋のレイアウトを、自分が最も重視したい目標に向けて変更する事が有効です。
こんな実験を知っていますか。
ある心理学者が、被験者に何もない部屋で何もしないで過ごしてもらうという実験を行いました。
ところが被験者の内、1日居続けられた人はごく少数で、3日間持った人はゼロでした。
リタイヤした人達の中には、体調を崩す人まで出たそうです。
人は、何もしないという事に耐えられないのです。
逆に言えば
集中したい対象以外、「なにもない場所」を作ることで自然と集中力は高まり、勉強や仕事がとても出来るようになります。
なにもしないことに耐えられない人間の本質を利用するため、暇つぶしやくつろぎの材料を排除してしまうのです。
くつろぐ場所は、くつろぐ場所。
勉強する場所は、勉強する場所と決めておくのです。
もし、そのような場所が確保できない場合には、段ボールなどに、やらなければならないことに関係のないものを問答無用で放り込んで、自分の視界に入らない場所に片付ける方法がおすすめです。
そうする事で、部屋は目的に合わせた部屋に変更され、集中力を高めることが出来ます。
2.ウィルパワーを節約するには、「習慣化」が必須
ウィルパワーを節約するには、「習慣化」は必須です。コツは、判断や決断を減らすこと。
つまり、判断や決断に使用するウィルパワーを節約できる仕組みをつくることにあります。
自転車に乗る時に、私たちは「足をこのようにあげる」とか、「体の向きはこのようにする」といちいち考えなくても出来るのも習慣化によるものです。
このように、集中力を使わなくても、勉強や仕事に打ち込むことができるようになると、余った集中力で新しい事へのチャレンジも容易になります。
習慣化のテクニックとして
「If then テクニック」
を紹介します。
このテクニックとは、Aが起きたらBを行うといったようにあらかじめ、決めておくテクニックのです。例えば、
①朝起きる(A)→カーテンを開ける(B)
②カーテンを開ける(A)→水分を補給する(B)
③水分を補給する(A)→ストレッチを行う。(B)
④ストレッチを行う(A)→本を読む。(B)
このように、Aの行動をした後には、次にBの行動をとる事をあらかじめ決めておきます。
本を読むという自分が始めたいと思う場所まで、あらかじめ行動が決定されている為、選択や決断を考える必要がなくなります。
その為、行動を選択する為のウィルパワーを節約する事ができ、集中力を発揮することが出来ます。
人間は、自分の行動や周囲の状況に応じて行動を変えていきます。
自分の行動をスイッチにして、次の行動に移すという行為は、脳にとって理解しやすい方法なので、習慣化にはおすすめです。
3.集中力を高める正しい「姿勢」
こんな経験はありませんでしょうか。
勉強を行っていて、休憩でベッドに寝転がって本を読んでいたら、気が付くと寝落ちしていた。
これは、「姿勢」の為、集中力が切れてしまった事が原因です。
散らかった部屋がウィルパワーを奪っていくように、集中に適さない姿勢で作業することは、余分なウィルパワーを消費してしまいます。
この原因は、脳の仕組みにあります。
集中力の源はウィルパワーです。
そのウィルパワーのエネルギー源は、ブドウ糖と酸素の2つです。
脳は、沢山の酸素とブドウ糖を必要とする器官です。
特に、集中して仕事や勉強に取り組んでいる時は、多くの酸素とブドウ糖が必要になってきます。
その時に、腰が曲がり猫背になっていたり、肘をついて作業をしていると血液の循環が落ち、脳が必要とする新鮮な酸素やブドウ糖の供給が滞ります。
反対に、正しい姿勢だと、血液が循環しやすくなり、脳への酸素やブドウ糖が十分に供給されます。
十分な栄養と酸素を脳に与える事で、集中力を使い続けることが出来ます。
ここで正しい姿勢についてチェックしていきしょう。
まずは、ダメな姿勢から
・背中が丸まっている
・ひじ掛けやデスクに方ヒジをついている。
・腰が伸びている
・脚を組んでしまう
これらの姿勢をしてしまうと、血液の循環が阻害され集中力が途切れがちになります。
では、正しい姿勢とは、
・あごをひいて頭は首の上にのせる。
(顔を前に出さず、あごを引き、首の上にのせるイメージでまっすぐします。)
・両ひざをつける
(ふとももを揃え、左右の膝頭をくっつけて座ります。)
・おしりと腰を直角にする。
(椅子に深く座り、お尻を後ろに引き、骨盤の上に立てるイメージで背中と腰を垂直に伸ばします。)
・足の裏を床につける。
(足の裏で床の感触を確かめるよう、ペタンと床につけます。)
常に正しい姿勢を保ち続けることは、非常に面倒だと思います。そこで、1日に何回か、正しい姿勢を思い出し、姿勢を意識して直す習慣をつくると良いと思います。
ただし、いくら正しい姿勢でも、長時間座ったままで作業し続けると集中力は落ちていきます。
もし、正しい姿勢をしていても集中力が落ちている事に気が付いた場合、一度、立ち上がって歩いてみましょう。
歩くことで血液の循環がよくなると共に、脳に新しい刺激を伝えることで、集中力を回復させることが出来ます。
4.集中力を高める「食事」
集中力の源であるウィルパワーを作る脳は、ブドウ糖がないと働くことができません。
そのうえ、脳は、大量にエネルギーを消費し、栄養不足になると思考力、行動力が低下していきます。
では、具体的にどのように食べていくと集中力が高まるのでしょうか。ポイントになってくるのは、「低GI食品」、「間食」、「水分補給」です。
①低GI食品
食べたら一気に血糖値が上がるものを高GI食品、じわりと上昇していくものが「低GI食品」です。
おだやかに血糖値が変化する事は、集中力を持続させるのに重要なことになります。
急激に血糖値が上がった場合、血糖値が下がる時も急激になります。
この血糖値の乱高下は、人間に強いストレスを与え集中を阻害してしまいます。
低GI食品には、そば、玄米、全粒粉パン、リンゴ、チーズ、ヨーグルトなどがあります。
低GI食品を3度の食事にうまく盛り込み、血糖値の変化をおだやかにしつつ、ウィルパワーの燃料であるブドウ糖を脳に送り込むこと。
これが、集中力を高める食事の基本になります。
②間食
いくら、3度の食事で低GI食品を食べたとしても、食後3時間弱で血糖値は低下をしていきます。
ここで登場するのが「間食」です。
ただし、間食では、ケーキやお菓子、ジュース等の血糖値を一気にあげてしまう食品を摂ってはいけません。
間食に適しているのは、低GI食品であるピーナッツやクルミ、アーモンドといったナッツ系統のおやつを、手のひら一杯分くらいを摂取するのが良いとされています。
適度に、脳にブドウ糖を送り続ける事が、集中し続けるのに有効な方法となります。
③水分補給
脳の80%は、水で出来ています。
その為、水分不足は、ウィルパワーの減少に直結します。
具体的には、体から2%の水分が失われると、一気に集中力が低下してしまう事が分かっています。
特に、夏場での集中力の低下は、暑さ以上に水分不足が影響しています。
水分不足による集中力の低下の影響は、年齢を重ねるほど、大きくなってきます。
ゆえに、歳を重ねている働き盛りの人ほど、水分補給に気を付けないといけないのです。
2%の水分の減少を防ぐには、1~2時間にコップ一杯ほどの水分を補給するのが一つの目安となっているので、ぜひ、試してみて下さい。
5.「運動」は、集中力を高める
適度な運動は、集中力に大きく関係しています。
運動をすることで血行が良くなり、脳に十分な栄養と酸素を与えて集中力を高めてくれます。
また、人間の脳は、運動している時によく働き、鍛えられていきます。
原始時代に狩りを行っている時は、人間は脳をフル回転しながら生き残る事を考えていたからです。
つまり、運動している時は、この狩猟時代からの遺伝子が働き、脳が活性化されるのです。
ここでは、おすすめの運動方法を紹介します。
朝、ウィルパワーがたっぷりと残っている状態で、プロテインやバナナなどの軽食を食べてから、運動を行います。
朝のエネルギーが全くない状態で行うのは、体への負担が大きいのでやめましょう。
もちろん、水分補給もしっかりと行って下さい。
その運動はハードなものでなくてもよく、20分ぐらいで良いです。
運動の種類は、散歩やストレッチ、ダンスなど、自分の気に入っている運動を行います。
適度にかいた汗を冷水のシャワーで流します。
もちろん、いきなり冷水では体への負担が大きいので、適度な温度のお湯から徐々に冷水シャワーに移行して下さい。(大体15℃前後が、よくリフレッシュできる温度です)
運動により、全身の血流を活発し冷水シャワーを浴びて新陳代謝を高めます。
これを行う事により、朝から活力ある脳や体を手に入れる事ができ、集中力を高める事ができます。
ちなみに、私は、朝起きた時に、プロテインを飲んでから、youtubeの「痩せるダンス」を毎日行って、冷水シャワーを浴びて仕事へいきます。
朝の運動は、一日のパフォーマンスをあげるだけでなく、幸せホルモンである「セロトニン」の分泌も促し、充実した生活を送れることになります。
幸せホルモンの「セロトニン」をもっと出したいという方は
運動時には、公園などの緑が多い場所で、しっかりと日光を浴びながら、運動を行うとより多くのセロトニンンの分泌がでるのでおすすめです。
痩せるダンス(全身の筋肉を使用するので、おすすめ)
6.脳を活性化させる「瞑想」
集中力の源であるウィルパワーは、脳の前頭葉から出ています。
その為、ウィルパワーを向上させるには、この前頭葉を活性化させる必要があります。
この前頭葉の活性には「瞑想」がとても効果的という研究結果が報告されています。
瞑想する事により、分散した意識を整え集中力を高めるトレーニングになります。
始めは、1日3分や5分程度の瞑想を行い、慣れてきたら時間を少しずつ増やしてみましょう。
1日に20分から30分の瞑想を行うことが出来れば、あなたの集中力は劇的に向上されていくでしょう。
瞑想の基本は、自分の呼吸に意識を向けることです。
自分が集中しやすいと思う姿勢を取り、ゆっくりと息を吸って、ゆっくりと息を吐きます。
瞑想の呼吸は、口呼吸よりも「鼻呼吸」の方で行う必要があります。
瞑想に関する研究で、口呼吸の方は、鼻呼吸よりも脳に多くの酸素を消費させてしまうことが報告されており、それにより前頭葉の集中力が減ってしまうからです。
今では、瞑想もよく知られるようになり、スマホのアプリでも瞑想に役立つアプリが多数でています。
無料の瞑想アプリ7選!
ジョブズもやっていた瞑想を無料アプリでやってみよう
ちなみに、私は、上記の中のマインドフルネス・アプリを使用しています。
このアプリは、シンプルな機能に加えて、環境音など、瞑想をしっかりとサポートしてくれて気に入っています。
これ以外にも、色々と瞑想に役立つアプリはあります。
まずは色々と試してみて自分にあった瞑想アプリを見つけて瞑想にチャレンジして下さい。
最後に
ここまで、お読みいただきありがとうございます。
ここまで集中力を高める方法をご紹介してきました。
私は、紹介してきた集中力を高める方法として「集中できる環境作り」、「集中力を高める運動」、「習慣化」が特に効果的だったと実感しています。
勉強や仕事に集中できなくて、休日はダラダラと過ごしている事に悩まれている方がいらっしゃったら、一度、紹介させていただいた方法を試していただければと思っています。
少し、押しつけがましいお願いですが、集中力を高める事は、本当に人生で使う事ができる時間を濃密なものへ変化してくれます。
そのような充実した時間を皆さんと分かち合えていければ、幸いと思っています。